第24章 酔っ払いにはご用心。
side莉奈
飲み会中盤、大人しくお蕎麦を食べていれば隣に誰か座る。
「飲まないの?」
「けーさん。」
月島さん、もといけーさん。
最近はよく美優さん、リエーフ先輩と4人でスイーツ屋さん巡りをしていて仲が良い。
「お酒、禁止されちゃって…」
ストレートティーが入ったグラスを持ち笑うと、けーさんはへぇ、と笑う。
「黒尾さんらしい。」
けーさんは自分で持ってきた缶チューハイの缶を煽る。
残りが少なかったのか、けーさんの好きな苺の缶チューハイが空になる。
「心配…してるのはわかるんですけど…でも仲間内で飲むときくらいは…って思っちゃって…」
「ねえ、聞くけどさ。」
ぐいとけーさんが私に顔を近づける。
「僕の性別は?」
「…男性…」
「そ。普段話したり食事する仲でもキミと僕の性別は違う。
それって彼氏としては不安になる材料なんじゃない?
他の先輩たちもそう。
いくら黒尾さんが仲が良いとしてもキミにとっては年上の男。
そりゃあ彼氏なら心配デショ?」
わかってる。
いつもだめって言われてるわけじゃない。
美優さんとリエーフ先輩とてつろーさんの4人とか、てつろーさんと2人とかだったらちょっとくらいはってOKしてくれる。
でも、周りが飲んでる時に飲めないって、やっぱり寂しい。
俯いた私の頭に降ってくる手は、優しくて、でも骨ばった男の人の手で、少しだけ胸がどきんとなった。