第24章 酔っ払いにはご用心。
side莉奈
「お酒…….やっぱり、駄目…ですよね…?」
そう私が聞くと、てつろーさんはむっとした顔になる。
「お前さ…俺と2人の宅飲みじゃねえの。
こいつらさ、顔見知りで長く一緒にいるけれど、ほとんどのメンツ男なの。
それはわかってるよな?」
「…わかってる…けど…」
「けど、なんだ。」
うう…怒り方がセンセイだよ、てつろーさん。
「少しだけ…」
「その少しで酔いつぶれて記憶なくしたのは誰だっけ?」
…はい私です。
20歳の誕生日。
てつろーさんと初めてお酒を飲んだ。
誕生日前にスーパーに並んでいたイチゴ味の缶チューハイ。
「誕生日に飲もうぜ。」
そう言って買ってもらったそのチューハイを誕生日に飲んだのだけれど…
甘くて美味しかった以外、記憶がない。
ふ、と我に帰ったのは次の日の朝。
ベッドの上。
明らかに事後。
脱ぎ散らかされた服。
べとべとの体。
そして、使い終わってへにょへにょとしている避妊具、多数。
何回シたかすらわからない状態に呆然としていた時、てつろーさんがもぞりと起きる。
「おはよ…ございます。」
「莉奈、頭痛くねえか。」
体を起こしながらてつろーさんはそう問う。
あ、昨日は枕で頭サンドイッチにしなかったんだ。
髪の毛下りてる。
「頭痛いとか気持ち悪いとかは…ないです。」
「あと、昨日のこと…覚えてるか?」
「…昨日、何があったんですか?」
聞けば、てつろーさんは苦々しい顔をして私を見る。
…私、何したんだろう。
「莉奈、お前俺が大丈夫って言った奴以外とはこれから先酒飲むなよ。」
「てつろーさん⁈昨日私何を…」
「飲むなよ?」
普段なら質問すれば私が納得するまで教えてくれるのに、今日は教えてくれないどころかシャットアウト。
てつろーさんの苦々しい顔が怖くて、私は首だけを縦に振った。
「わかりました…」
でも、みんなが楽しそうに飲んでる中1人だけノンアルコールなのは辛い。
じわり、目尻に浮かぶ涙を見られないように立ち上がると美優さんにお願いした紅茶を取りにキッチンへと向かった。