第5章 俺だけみてて。 R18
私、椎名美優。
今年20歳になりました!
…なもんだから、専門の友達から最近よく飲みに誘われるようになった。
「ねえ、美優。飲み行こうよ?」
「あんまり誘っても一緒にいってくれないしさー。」
『ごめんね?今日、弟が家に来るの。急いで帰らなきゃ。』
「あー、両親共働きだからひとり暮らしの家にご飯食べに来るんだっけ?」
『そうなの。じゃあね?」
そういうと私は荷物を背負って教室を出た。
…弟なんていません。
ここでいう弟っていうのはリエーフの事。
何回も何回も飲み会だったり食事会だったりに誘われるのが面倒になった私がついた嘘。
リエーフは最近、金曜日は部活の後まっすぐうちに来て、ご飯を食べて泊まってから土曜日の部活に行くのがルーティン化している。
忙しくて最近会えたのは先週の土曜日。
うちから部活に行ったリエーフを見送ったのが最後だから、6日ぶりだ。
今日は何を作ろうかな?
リエーフの喜ぶ顔を想像しながら私は帰路を急いだ。