第22章 椎名美優の数日後 in2018
箱とケースを開けば、中にはシルバーのシンプルな指輪。
内側には真っ赤なルベライトが一粒埋め込まれている。
渡しそびれた指輪に自らの左の薬指を通し、ため息。
『渡せなかったなぁ…』
今年の誕生日プレゼント。
約束の指輪。
機会を逃してしまったプレゼントをいつ渡そうか。
いっそ別のものを用意して改めて良いタイミングに渡し直そうか。
色々考えてため息が出る。
指輪を外しケースにしまう。
まずはお風呂。
そしてご飯。
リエーフが帰ってくるまでにはどうするか考えておこう。
私は立ち上がると、リエーフが用意してくれていた洋服、そして昨日脱ぎ散らかしていた洗濯物を持ちお風呂に向かったのだった。