第19章 夏、18歳
「美優さん、パンツ見えますよ?」
は、と目を開き登って来た階段を見ればぴょこりと見えるシルバー。
「見ないでよ…
リエーフ、部活は?」
立てていた足を下ろし上半身を起こせば、頭だけ出ていたリエーフがひょいと屋上の上へと登って来た。
「休憩中です。さっき屋上に行くのが見えて追いかけて来ちゃいました。」
そう言うとリエーフは起き上がっていた私の腿に頭を乗せて寝転んだ。
ヘヘッと笑ったリエーフの頭をさらりと撫でると彼は猫のように私の手に擦り寄りそっと目を閉じる。
甘えるような素振りに優しく髪を梳く。
すきで。
すきで。
今この想いを上手に伝える術が
わからなくて。
「リエーフ?」
でももやりと渦巻くこの気持ちをなぜか伝えたくて。
ぐいと体を折り曲げて
腿に乗る彼の頬にそっとキスをした。