第16章 2人(?)ドタバタクリスマス!後編!
『正嗣さん…?これ…』
手渡されたのはソフトクリーム。
マサちゃんはコーヒーを持っている。
外にあるアシカのコーナーでアシカを見ていたら、いつのまにかそれらを買っていたらしいマサちゃんが私を餌付けする。
素直に受け取ってぱくり、食べる。
『…しょっぱい?」
「ソルト…塩味だってさ。」
甘さと塩辛さが合わさってなぜか美味しんだよね。
ぱくりと食べながら、思うのはリエーフのこと。
”お前が場所を教えたら不公平だろ?”
そう言われ、預けたスマホが気になって仕方がない。
リエーフ、どこにいるんだろう。
はやく、会いたい。
「みつけたっ!」
ぐいと腕を掴まれ、衝撃で落ちるソフトクリーム。
くくっと笑うマサちゃん。
きれた息が上から聞こえ、思わず振り返る。
辛そうな顔をしたリエーフ。
私が振り返ったのに気づいて顔をふにゃりと笑みに変えた。
真っ赤な顔。
12月なのに、ぽたり、と滴る汗。
汗で乱れた前髪。
『マサちゃん…ゲームオーバーだよ。』
「ああ、残念だ。」
そう笑うマサちゃんに背を向けると、私は鞄からハンカチを取り出しリエーフの汗を拭く。
「まだ時間あるから遊んでこいよ。」
そう言いながらマサちゃんはリエーフの頭をわしゃりと撫でる。
「言われなくてもっ…」
ムキになりつっかかろうとするリエーフを止めると、マサちゃんはす、と先に帰ってしまった。
『リエーフ?』
去っていくマサちゃんを威嚇するように睨むリエーフ。
ぽふりと背中に抱きつくと、私はぽそり、呟いた。
『見つけてくれてありがと、リエーフ。』