第16章 2人(?)ドタバタクリスマス!後編!
マサちゃんが去ったあと、改めて水族館に入った私達。
水族館デートなんて久しぶりだから純粋に楽しんだ。
くらげのトンネルに差し掛かると、そこは貸切のように2人きりになった。
水で反射する光がきらきら光って綺麗で、つい、水槽に手を当て中を見た。
「ねえ、美優さん?」
ぺたり
と、リエーフが私の背中に張り付いた。
「俺、怒ってるんですよ?」
するり、とタイツ越しの太ももをリエーフの指がなぞる。
「山岡センセイについて行ったりして…」
違う。
そう言おうとしたけれど、リエーフはそれをさせてくれなかった。
太ももを触る反対の手が私の頬をなぞる。
久しぶりにつけたグロスを、リエーフの指が拭う。
「今日の”夜”、楽しみにしていてくださいね?」
くすり、と聞こえるリエーフの笑い声。
目の前を見れば、ぎらりと光るガラス越しの翠玉と目が合う。
リエーフに結ってもらった髪の毛。
それをゆるりと指で退け、空いたうなじにリエーフは唇を落とした。
『リエーフ…?』
「ね、美優さん。家に帰るの、たのしみですね?」
水族館を純粋に楽しんでいたのは私だけだったようだ。
夜が怖くて仕方がない…
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