第15章 2人(?)ドタバタクリスマス!中編!
side灰羽
池袋の大型ショッピングモール。
美優さんとよく来るここに、今日もまた来た。
食品は最後に家の近くのスーパーに行くということを決めて、ショッピングモール内を見て回った。
途中腹が減ったので、有名なMのハンバーガー店の期間限定品を買い、お昼を済ます。
ふ、とトイレに行きたくなった俺。
美優さんを噴水の広場の近くのベンチに残し1人トイレに向かう。
いってらっしゃいと手を振る美優さん。
やっぱり今日も可愛くて、いつもならそんなこと思わないはずなのに。
ひとり置いていくのがなぜか不安で。
でも、別に大丈夫だと自分に言い聞かせ、急いでトイレに向かった。
冬休みだからかやや混んでいる施設内。
やっぱりトイレも混んでいて、いつもより時間がかかった。
やっぱりベンチで待っててもらってよかったのかもしれない。
立ちっぱなしは足が痛くなるしな。
なんて考えながら、美優さんを待たせていたベンチに戻れば、
そこに、美優さんはいなかった。
「あ、れ?」
ここじゃなかったっけ?
それか、美優さんもトイレかな?
たまに、あるじゃん?こんなすれ違い。
すぐ帰って来る。
近くの柱に寄りかかり、連絡が来ていないか確認するためにスマホを取り出せば、ナイスタイミングな着信。
それはやっぱり美優さんで、俺は画面をタップして着信をとった。
「もしもし、美優さん?俺さっきのところに戻って来たけど…」
『あ…リエーフっ』
困ったような美優さんの声。
どうしたんだろう。
何かトラブルかな。
どうしたのか問おうとした瞬間、電話の向こうで美優さんの慌てた声。
そして何故か”別の声”がしたんだ。