第14章 2人(?)ドタバタクリスマス!前編!
正規の練習が終わって2時間半。
そろそろ食堂を閉めようとした時、ばたばたと食堂に走り込んでくる音が聞こえた。
「っあー!ぎりぎりかー!おばちゃん今日のメシなにー?」
「木兎さんっ!今日は調理師さんじゃなくて!」
「みーゆさーん‼︎ごはーん!」
「はあっ⁈美優飯作ってんのかよ!」
「まじでっ!美優のメシ食えんの⁈」
「美優さーん!このメンバーで最後でーす!」
木兎、赤葦、リエーフ、クロ、莉奈ちゃんが息を切らしながら食堂に入ってくる。
莉奈ちゃんは食事は済んでいるから私の分も含めて5人前の準備か。
『じゃあご飯あっためるから待ってて?』
チキンステーキをオーブンにいれ、クラムチャウダーを火にかけ混ぜながら、サラダを人数分皿に盛る。
最初に来た人たちよりも明らかに多い量を取り分けたけれど余ってしまったサラダ。
そういえば、お昼も少し余ってたっけ…
『クロー!ぼくとー!色々余ったんだけど持って帰る?』
そう問えば2人からはイエスの返事。
持ち帰り用の容器を用意してる間にチキンステーキがいい感じにあったまったので人数分をとりわけ、余った分を切り分ける。
クラムチャウダーはお鍋ごと。
あとはお昼に余った牛丼と余ったケーキをまとめたものを持っていけば、机の上はいっぱいいっぱい。
『作りすぎて余らせちゃったから食べて?。あとはこれ、木兎とクロに。』
余ったら持ち帰って?と伝えて持ち帰り用の容器を置いたけれど、全員夕飯に目が釘付け。
その姿がまるで肉食獣のようで、怖くなった私は自分の食事と一緒に別テーブルに避難した。
「美優さん!ケーキ!食べたいです!」
『いいよー!食べよ?』
私と一緒に別テーブルに移動して来た莉奈ちゃんは、ケーキがどうしても食べたかったらしく、莉奈ちゃんは嬉しそうに肉食獣たちのいるテーブルから余っていたケーキを全て持って来た。
ケーキを避難させ、そのお皿から嬉しそうにケーキを盛る莉奈ちゃんに気づいたクロが莉奈ちゃんに笑う。
「そんなにケーキ食ったら太るぞー。」
「てつろーさんの意地悪っ!美優さんのケーキ美味しすぎるんだもんっ!」
痴話喧嘩を見ながら向こうのテーブルを見れば、リエーフを含むみんなも残ったおかずを我先にと食べている。
5合近く残っていたご飯もいつのまにかすっからかん。
やっぱりこのメンバーは食べさせがいがある。