• テキストサイズ

ねこわん‼︎【HQ】

第14章 2人(?)ドタバタクリスマス!前編!



お昼、午前の練習を終えた音駒、梟谷のメンバーが食堂へ集結する。

サラダは盛り付け済み。
スープは各自盛ってもらうように器と一緒に並べておく。
牛丼と親子丼を選んでもらい、私がささっと盛り付けて渡す。

私1人だから時間がかかることは猫又監督から伝えてもらっている。
だからといってあまり時間をかけたくないのが本音。
だって合宿中の貴重な休憩を減らしてあげたくないもんなぁ。




「すいません、親子丼大盛り1つお願いします。」

お腹の空いた部員達を裁き切り一息付いていれば、聞き覚えのある声。
顔をあげれば、梟谷のジャージをまとった赤葦がいた。

『赤葦、親子丼半熟がいい?それとも完熟?』

私の声を聞いた赤葦。
びっくりした顔をしたかと思ったらじっと私の顔を見る。

「美優…さん?」

『そうだよ?びっくりした?で、どっちがいい?』

「半熟で…」

一人分の具材を親子丼用の鍋に入れ、溶き卵を流し入れ、卵が固まるのを見て入れば赤葦が私に話しかける。

「何で今回…」

『猫又監督に頼まれちゃって。合宿終わるまでよろしくね?
あ、3時のおやつ楽しみにしてて?』

「これ…灰羽は?」

『知ってるよー?はいどうぞ?』

やわり、と固まった親子丼を大盛りご飯に乗せて渡すと、丼に添えた手に赤葦の手がするりと乗った。

「知ってるんですか…残念…」

つ、と手の甲を指でなぞりながら、赤葦の手が離れていく。

くすぐったさの中に、ぞくり、という感覚を感じてしまったのは、



きっと、私の、気のせいなんだ。
/ 352ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp