第14章 2人(?)ドタバタクリスマス!前編!
数種類のスイーツを3人(マサちゃんはほとんど食べなかったけど)で食べきった後、マサちゃんに家の前まで送ってもらい、私達は帰宅した。
順番にお風呂に入った後、私は明日からの合宿の最終確認を終わらせリエーフの部屋へと向かった。
部屋の前で3回ノックすれば慌てたリエーフの声。
そっと扉を開ければ、部屋の中は荒れに荒れていた。
『どうしたの?これ…』
「えっと…合宿用の鞄出したらひっくり返ってきちゃって…」
今回は1泊2日だからそこまで多くの荷物はいらないはず…
『そんなに奥に片付けてたの?明日早いし、片付け手伝うよ。』
2人でぱぱっと片付けて早く寝よう。
そう思い、そこらへんに散らばった服をたたみ仕舞おうとクローゼットの扉に手をかけた時、リエーフがああっ!と声をあげ、ばびゅんとクローゼットの前に立ちはだかった。
「っ!片付け自分でやれますからっ!」
私の手の中にあったリエーフの服はいつのまにかクローゼットの前の床に。
私の体はいつのまにかリエーフに立たされドアの前に。
「こっちの片付けが終わったら美優さんの部屋に行きますから。」
先に寝ててくださいね?
そう言いながらおでこにキスを降らせたリエーフはクローゼットを開けまいと頑な。
しょうがない。
リエーフの言葉に頷いてそのまま部屋を出たけれどなんだか1人が寂しくて、私はリビングに移動した。
ソファーに寝転びブランケットを掛けると、適当につけた番組を流しみる。
クッションに頭をおいているとだんだん頭がぼやりとし、声だったものはだんだん音となり、それもいつのまにか聞こえなくなってしまった。
どのくらいだったのかはわからないけれど、ふとリエーフの声が聞こえた気がした。
眠気に逆らって薄く目を開けば心配そうなリエーフ。
口を開くのも億劫で手を伸ばせば、自分の体がふわりと浮いた。
リエーフにぎゅっとくっついていたらひやり、冷たいところに降ろされ、それからすぐにぎゅっとされて体があったかくなった。
じんわりした暖かさに包まれているのが幸せで、私はそのまま意識を手放した。