第14章 2人(?)ドタバタクリスマス!前編!
「で、何食う?」
やってきたのはファミレス大手、ガ○ト
メニューを見ながらうんうん唸るリエーフの横で私もメニューをめくれば美味しそうな料理。
私はビーフシチューソースのオムライス。
マサちゃんは魚の煮付けの定食。
そしてリエーフは、ミックスグリルに日替わりスープ付きのセットを選んだ。
「あ…それと」
3人分の注文を伝え終わった後、なぜかマサちゃんは再びメニューを指差す。
「このパンケーキとこっちのフレンチトースト。あとはチーズケーキとフォンダンショコラを。」
…スイーツ⁈
マサちゃんが大量のスイーツを注文⁈
唖然としていると、注文を終えてメニューを戻したマサちゃんが私の方を見て怪訝そうな表情をする。
「なんだよお前ら、その顔。」
お前”ら”?
隣のリエーフと顔を見合わせれば、やはりリエーフも不思議そうな顔。
『マサちゃん、そんなにスイーツ食べないよね?どちらかといえば甘いの苦手…』
高校の頃のマサちゃんの差し入れはビターチョコのマフィンやら甘さ控えめガトーショコラにブラックコーヒー。
高校一年生の時、調理部を作りたいからと調理室を借りて作ったフォンダンショコラ。
概ね好評だったんだけど、マサちゃんは「甘すぎる…」ってブラックコーヒーで流し込んでたっけ。
それで問えば、ああ、と納得いったような顔。
「誰が、俺が食うっていったよ。お前らで食え。」
…と言うことはマサちゃんは、私達に食べさせるために大量のスイーツを注文したってこと?
「まあ、ほとんど灰羽が食っちまうんだろうけどな。」
マサちゃんはリエーフに目線を向けながらニヤリ、と笑った。
きっとわかってるんだ、マサちゃん。リエーフが遠慮して頼んでいるの。
だってリエーフ、お腹すいてるときはハンバーグやチキンなどに、ライス、スープのセットとサイドメニューを頼み、さらにデザートまで頼んじゃうんだもん。
それと私を甘やかしたいのもあってのスイーツなんだろうな。
「ありがと…ございます。」
不服そうにお礼を言うリエーフの頭を、マサちゃんはがしりと掴みわしゃわしゃと撫でる。
「まあ、これのお礼に美優貸してくれたら嬉しいんだけどな。」
「っ!それとこれとは別です!」
はたから見れば楽しそうにじゃれていると、店員さんが私たちの食事を持ってきたので、私達はそれぞれ注文した料理を口に運んだ。