• テキストサイズ

おそ松さん〜ニート達の恋模様〜

第5章 十四松にファンファーレを


十「おはようオードリーヘップバーン!こんなところで何してるんだい?そういえば、予定があるって言っていたね!」


主「お、おはよう…。出かけなきゃなんだけど、電車が止まってるから、今タクシー待ちなの」



会話をしただけなのに、十四松くんの追っかけ達の目が怖い。


みんな一体どこから集まったのかというのは置いておいて、十四松くんの腕を掴んでいる人や、肩に頭を預けている人までいる。



主「…すっかりモテモテだね」


十「もしかしたらキミに会えるかなってそこを歩いていたら、沢山の子猫ちゃん達に出会えたんだ」


主「ふーん」


主(あれ?わたし、どうしてヤキモチ焼いてるんだろう…)


十「よし、子猫ちゃん達、僕はこれからこの子を送り届けるから、ここでサヨナラだよ」



十四松くんはそういうと、わたしの前に跪き、手の甲に口づけてきた。



主「えっ!?な、何、急に!?」


女「イヤーッ!十四松様!」


女「そいつから離れてー!」


十「コーラッ、レディがそんな事言ってはダメだよ?」



十四松くんが立てた人差し指を、女の子の唇に軽く当てると、またしても女の子は鼻血を出して倒れる。



主(また殺人フェロモンの犠牲者が…)



涼しげな顔をして十四松くんはこちらに向き直った。



十「僕の一番の仕事は、キミを笑顔にすることなんだ。さぁ、僕の背中に乗って?」


主「せ、背中!?」


十「早く!時間が無いんでしょ?…しょうがないお姫様だね。ほらっ!」


主「キャッ!」



十四松くんがわたしの足に手をかけ、無理やりおんぶの体勢になる。身体が密着して体温を感じたかと思うと…



ヒュンッ



わたしの身体は宙に浮き、さっきまでの人だかりを背にしていた。



十「カボチャの馬車ってわけにはいかなかったけれど、僕の背中も乗り心地良いでしょ?さぁ、行き先は?」


主「…う、うん…。◯響ホールまで、お願いします」


十「オーケー!飛ばすからしっかり掴まってて!」


主「…ありがとう!」



肩にキュッとしがみつく。


こうしてわたしは、高鳴る胸の鼓動を感じながらオーディション会場に向かったのだった。
/ 199ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp