第1章 おそ松な彼氏
主「待って、わたし…その、映画は観ないよ?」
そう言うと、おそ松くんの表情がなぜかとても明るくなった。
両手をガシッと握られる。
お「えー!?マジでー!前置きはいいとか、そんな積極的に来てくれるのぉ?じゃあ早く俺とセッ」
ヒュンッ
風を切り、今度は吹き矢がおそ松くんの額に刺さると、みるみる顔中が血まみれになった。
主「お、おそ松くん!?」
お「い…いってぇなぁぁあ!!テメーらいい加減にしないと本気で怒るぞゴルァァア!!」
茂みに向かっておそ松くんが罵声を浴びせている。
主「…おそ松くん、あそこに…誰かいるの?」
お「えっ、あっ!いや、えーとね…あいたっ!!あーあいたたたーー!!なにコレ痛い!そういえばおデコすっごく痛いっ!!!」
地面をごろごろ転がるおそ松くん…。
主「ちょっと、おそ松くんっ、おそ松くんってば!」
私は、おそ松くんの額にハンカチを当てる。
主「…もう!そんなに暴れたら傷にバイキン入っちゃうよ?私でよければ手当てするから…その、お家寄っても…いいかな?」
お「あ、そういうこと?」
主「そういうことって?」
お「いやこっちの話。じゃあ…お願いしちゃおうかな!」
主「うん、わかった」
こうして、私はおそ松くんのお家におじゃますることになった。
・・・
ガサガサ…
チ「どうしよう…あの子悪魔の巣へ連れてかれちゃうよ!?」
ト「でも、結果的に良い方向に進んでない?」
チ「あのバカが暴走しなければね。」
十「チョロ松兄さん、お腹すいたー!」
ト「ぼくもお腹すいちゃった。チビ太のおでん食べたーい」
一「…おれも…」
カ「フッ、生まれたての恋のメロディ、果たしてどんなハーモニーを…って、えっ…ブラザー?ブラザー!……置いてかないでーーーっ!!」
・・・