第1章 おそ松な彼氏
主人公視点
わたしは今、おそ松くんの家にお邪魔している。
救急箱を開き、あぐらをかいているおそ松くんと向かい合うように座った。
お「いつっ!」
主「ごめん、ちょっとだけ我慢しててね」
主(派手に出血していたけれど、傷はそんなに深くないみたい)
ぽんぽんと消毒液を付けた脱脂綿で額を押さえるたびに、おそ松くんが目をギュッとつぶる。
主(なんだか…かわいいかも…)
いろいろと不可思議な事があったけれど、おそ松くんと過ごして、たくさん笑った自分がいた。
主(おそ松くんって、怒ったり笑ったり、コロコロ表情が変わって、見ていて飽きないな)
出会ってからのことを思い出しながらぽんぽんしていると…
お「いだぁっ!!」
うっかりおそ松くんの左目に脱脂綿を当ててしまった!
主「あっ!ごめんっ!!」
お「あははは…びっくりした…」
左目が充血し涙がポロポロ流れている。
主「本当に…ごめん…!」
急いで額に絆創膏を貼り、今度は左目を覗き込む。
主「目、大丈夫?」
目が合った瞬間、至近距離のせいか、不意にドキリと胸が弾んだ。
主(ちょっとビックリしただけ…だよね…)
思わず俯くと…
お「なにー?カワイイ顔しちゃって〜」
主「キャッ!?」
おそ松くんに、肩を掴まれる。
お「主ちゃん、左目痛かったな〜」
主「ご、ごめんなさい!」
お「反省してるー?」
主「…してる」
お「うーん、あんまり反省してるように見えないから、おしおきが必要かなー」
主「おしおき!?」
掴まれた肩を押され、背中に壁がぶつかる。
主「ちょっとやめて!おそ松…くん!」
お「…おれの命令に従ってくれる?」
主「!?」
・・・