第5章 十四松にファンファーレを
主(よしっ、久々に野球応援吹いて息抜きしよ!)
学生時代に暗譜をしたので今でもバッチリ吹ける。
〜♪
〜〜♪
我ながら清々しいハイトーン!
吹き終わり余韻に浸っていると、何やら熱い視線を感じる。
視線の先には草野球くん…。
主(は、初めて目が合った。そしてずっとこっちを見ている…)
話しかけてくるかと思いきや、草野球くんは屈伸運動を始めた。
主(き、気にしなくてもいいよね。じゃあ次はあれを吹こう!)
記憶を手繰り寄せ、楽器を構え息を吸ったその瞬間、
?「ィヨイショーーーーッ!!!!」
主「えっ!?」
なんと——川の向こう岸から、草野球くんは大ジャンプをしてこちら側の河川敷に着地した。
目の前で起きた事が信じられず、わたしはトランペットを両手で抱え込みその場に座り込む。
主「あ…う、うそ…」
草野球くんが目の前にやってきてバットを振り上げる。
主「こ、こないでっ!イヤーッ!!」
わたしは必死に楽器を庇うようにうずくまった——すると、
?「4562!4563!4564!」
素振りの続きを始めた。
主(な、なんなの…一体!?)
・・・