第4章 ひとりぼっちヒーロー 一松
トド松視点
ボクは部屋で一松兄さんにスマホの画像を見せている。
ト「一松兄さん、この子は?」
一「興味ない」
ト「じゃあ、こっちの黒髪ロング!」
一「パス」
ト「ならばこの子!猫耳メイドカフェ勤務!」
一「…もういいって」
ボクはため息と共にスマホの画面を切った。
闇松兄さんの鋼の要塞恐るべし!
ト「あぁっ!!10人見せてぜんめつぅっ!!っつかさ、選ぶ立場じゃないでしょ!!ボクたち六つ子は、同世代カースト圧倒的最底辺かつ暗黒大魔界クソ闇地獄カーストの住民だって、何度も言ってるよね!?デートしてくれるならば、五体投地して全身全霊全力で貢ぎますって立場なの分かってる!?」
一「だから…興味ないって何度も…」
お「トッティ、無理強いしてもムダムダ〜。こいつかなり頑固だから、猫と生きていくっつーなら、応援して放置。これでオールオッケー」
ト「オールバッドだよ!!」
チ「僕も止めたい気持ちはあるけど、結局は猫なんだから、すぐ懲りて帰ってくるんじゃない?」
カ「フッ…それもまた愛の形…。しかし妥協した愛に意味は無い…。果たして一松の愛は…ウグッ!!」
カラ松兄さんのイタイ発言に、一松兄さんが反応して胸ぐらを掴んでいる。
ト(ハァ…一人で心配しているボクがバカみたいだ…)
お「じゃあ黒髪ロングは俺予約ー」
チ「うーん、不健全な出会いではあるけれど、まずは僕がお手本としてデートをプランニングしてあげてもいいかな?」
ト(だ、か、ら!!誰がお前らに紹介するって言った?本当はボクだって、一松兄さんに女の子を紹介なんて恐ろしくてしたくないけど、人間界に戻って来てほしくて苦渋の決断だったんだっつーの!)
ト「おそ松兄さんと、チョロ松兄さんにはまた今度紹介するよっ。ねっ」
お「え〜っ今度っていつ?」
ト「うーん…5回くらい転生したらっ」
チ「なにその遠い未来っ!?現世じゃないのっ!?」
先の見えないやり取りをしていると、
ジリリリーン…ジリリリーン…
電話のベルが家に鳴り響いた。