第4章 ひとりぼっちヒーロー 一松
翌朝
おれが起きると、もうみんな朝食を食べていた。
十「おはよう、一松兄さん!」
一「お、おう」
朝は十四松以外みんなテンション低い。テレビを見ながら無言で食べる。
それが、うちの日常だった…。だったけど…。
お「一松。それ取って」
朝食を終える頃に、こいつらは仕掛けてきやがった。
一「あ?…どれ?」
お「そこの主、あっ、違った。漬物」
ガタッ
俺は立ち上がった。
一「…な、おま、今なんて…!」
お「え?だから漬物。もういいや、トド松〜取ってー」
ト「どうしたの?一松兄さん。はい、主…じゃなくて漬物」
一(なんだこの連携プレー!終わった…!絶対に聞かれてたっ!!)
チ「一松何つったってんの?お前一番遅かったんだから、早く食べなよ。それとも何?何か気になることでも?」
チョロ松がそう言うと、みんなが腐りきった醜い笑みを浮かべる。
一(こいつら…全員グルだな…!もう、殺るか殺られるかしか道はない!…ならば!!)
おれはパジャマを脱ぎ捨て、臨戦態勢に入った。ちゃぶ台の上にしゃがみこむ。
チ「っておい!臨戦態勢に入ったじゃねーよ!!何ウ◯コしようとしてんのー!!ここ朝の食卓なんだけど!?」
一「ウブッ!!」
チョロ松兄さんにひざ蹴りをくらい、おれはその場に倒れこむ。
その時、手にカラ松の鮭がぶつかり一緒に畳に落ちた。
カ「あーっ!俺のサーモンッ!!??」
気にせずおれは会話を続けた。
一「くっ…てめえら…何が言いたいんだ…?ああ?」
殺気立たせて睨みつける。
チ(なんだ!?あいつから発せられる禍々しいオーラは!?く、黒い!なんかあいつの周り黒くてどんよりして近寄れない!?)
ト(ダメだ…闇松兄さん相手じゃ、下手に詮索したらこっちが殺られる!)
カ「俺の…サーモン…」
お「もーっ朝っぱらから何なのお前ら。いったん落ち着け」
一「お前が始めに主っつったんだろ!!」
一(あ…)
まんまと自爆してしまった。