第1章 おそ松な彼氏
おそ松視点
主ちゃんに見えないようにテラスのすぐそばにある茂みに行くと、同じ顔が5つ並んでいる。
お「おいコラくそいてーんだけど!!何すんだよ!俺ちゃんと紳士だったろーが!」
チ「どこがだよっ!!なに初回のデートで下心丸出しで家に連れこもうとしてんの!?」
ト「おそ松兄さん、もう少し段階踏んで行かないと逃げられちゃうよ?」
お(クソッ、なんなんだよこいつら!ついてくんなっつーの!)
内緒にしておきたかったのに、トド松に電話を聴かれてから、見守るだのアドバイスするだのめんどくさいことになって今に至る。
お「だって、ヅタヤの無料券あんなにくれたし、すぐ使わないと失礼でしょ。それに、そーゆーことでしょ?むしろ、あっちから誘ってるでしょ?」
チ「その性欲フィルターで物事を判断するのやめろっ!!」
お「あーなんかうるさい。ほんとうるさい。なんだよ、勝手についてきたくせに。それに俺は、AVの始めのインタビューだとか馴れ初めは飛ばして観るタイプだしぃ」
チ「いやいやいや、リアルとAV一緒にしないでくれる!?出会いの一番大事な所、なに早送りしようとしてんの!?」
面倒くさいチョロ松の相手をしていたら、トド松が澄んだ瞳で俺を見つめ口を開いた。
ト「おそ松兄さん…ほんとはこんなこと言いたくないんだけど…」
お「な、なんだよ?」
ト「クソニートDTのゲス松兄さんが、初めて女の子とデートしてんだよ!?これを逃したら一生DTで終わるかもしれないんだよ!?いいの!?一生画面の中の彼女でいいの?いいわけないでしょー!!」
お「なにその呼び方!なげーしなんかショック!」
末弟の言葉が心にグサグサ突き刺さる。
するとこのタイミングで空気を読まない次男のお出ましだ。
カ「フッ…ならば教えてやろう…。臆病なガールの心の扉を開けるための」
ト「とにかく!今日はこの後うちに呼ぶのは禁止!兄さん何しでかすかわかんないもん。まずは次のデートの約束して!」
残念ながら次男の出番は一瞬にして終わりを迎えた。
お「えぇー、今日やれないのー?だいぶ溜まってきてるんだけど〜」
チ「ヤれるわけないだろ!全然その段階じゃないから!」