第3章 チョロシコスキーと呼ばないで
腕時計を見ると、上映までまだ時間がある。
主(プリクラ…撮りたいなぁ…。でも、男の人と撮ったことないんだよね…。チョロ松くん、嫌がるかな…?誘ってみようかな?)
チ(お揃いのぬいぐるみかぁ…。なんてゆーか、これって…脈アリだよね!?この流れでプリクラも撮っちゃったら、もうヤバイ!幸せすぎて逆にこわい!これが俗に言うマリッジブルー?いやいやいや!落ち着けチョロ松!結婚はいくら何でも早すぎるからっ!はぁ…なんだろう…この充足感…!もし付き合えた暁には、今度こそにゃーちゃんの追っかけをやめよう…!そして、主ちゃんと暖かい家庭を築いて、子供は…そうだなー2人くらい欲しいかな?それで子供が成人して家を出たら、2人で慎ましくも平和な老後を…)
主「…くんっ!!ねぇっ!チョロ松くんってば!!」
チ「ななな何っ!?ゴメン、聞いてなかった!!」
主「もうっ。返事も無いし、ずっと遠い目をしてるから頭の線切れたのかと思った!」
チ「ちょっと、考え事をしてた!ゴメンゴメン!」
主「まぁ、いいけど…。ねぇ、まだ時間あるからプリクラ撮らない?今度はわたしが払うから」
チ「プリクラーーーーーッ!!!!」
主「ええっ!?いきなり叫んでどうしたの!?…もしかしてああいうの苦手?」
チ「い、嫌じゃない…けど」
主「よかった!じゃあ並ぼう!あっ、前の人ちょうど終わったみたい!」
撮影が終わって出てきたのは1人だけだった。屋内なのにサングラスをかけたその人は、わたしたちを見るやいなや口を開く。
?「フッ、まさかこんなところで会えるとはな。ブラザー!俺は信じてるぜ!今ならまだピュアなイノセントボーイのままでいられる!さぁ、そこのガールをおとなしくオレに」
チ「主ちゃん、行こうか。」
不意に腕を掴まれ出口に向かい歩き出す。
主「え?プリクラは?」
チ「また今度にしよう?それよりあまり時間ないから映画館行かないと」
主「そ、そう?わかった!」
・・・
カ「え……俺の出番…これだけえぇぇえ!?」
カラ松のシャウトが虚しく店内に響き渡る。
そして、すぐさま店員に追い出された。