第3章 チョロシコスキーと呼ばないで
チョロ松視点
ランチを終え、僕らは歩いている。
映画まであと1時間。それまで、僕の提案でゲーセンに行くことになった。
本来ならば幸せ一色なこの状況。だけど、トド松に会ってから僕の精神が休まることはなかった…。
チ(この道は…うん、平気そうだ…)
チ「主ちゃん、こっちから行こうか?」
主「うん、わかった。でもこっち、遠回りじゃない?」
チ「あ、あっちは…車の通りが激しいからね!この道の方が安全かと思って…!」
主「そうなんだ?ありがとう」
チ(いつあいつらが嗅ぎつけて邪魔をしにくるか分からない。ここは慎重に行こう!)
しばらく歩いていたが、特に問題は起こらない。
チ(何も起こらないな…。僕が心配性なだけか?ふふっ、ゲーセン着いたらUFOキャッチャーでかわいいぬいぐるみ取って良いとこ見せて、その後はもしかしたらプ…プリクラなんて撮っちゃったりしてーー!!)
??「もし…そこの方…」
チ「ってうわあぁぁぁぁあ!!」
死角から急に話しかけられ思わず叫び声をあげる。
そこには顔をヴェールで隠した占い師っぽい人と犬がいた。犬…というか…
チ(じゅうしまつうぅぅぅぅう!!)
犬の格好をした十四松だった。ならば当然この占い師も黒だ…!
チ「行こう…主ちゃん…。速やかにこの場を去ろう…」
主「え?ちょっと待って」
無意識のうちに僕は早歩きになっていた。
??「待たれい…。そちらの青年の名は、松野チョロ松…そうじゃろう?」
主「ど、どうしてそれを?」
主ちゃんが立ち止まる。
チ(あぁぁぁああー!主ちゃん捕まっちゃったよおぉぉぉお!!そんな安直なトラップに引っかかっちゃだーめーーっ!!!)
チ「はははは、こんな胡散臭いのと話したら胡散臭が付くから早く行こう!」
主「胡散臭ってなに!?」
??「そう警戒するでない…。何もとって食ったりせん…。わしはお主らに警告をしようと思ってのぉ…イヒヒッ」
チ(いやいや、最後の負のオーラ全開な笑い方で一松確定だからっ!!全部バレてるからっ!!)