第3章 チョロシコスキーと呼ばないで
一松視点
十「みんなーっ!!!たーいへーんだーーーっ!!!」
十四松が廊下を走りながら部屋に入ってきた。
十「大変大変大変大変大変だよーー!!大変なんだよ!?大変大変大変たいへ」
一「十四松!よーしよしよし…」
おれがなだめると大人しくなる。
部屋にはおれとおそ松兄さん、クソ松の三人だけだ。
お「んー?どーしたぁ十四松?」
おそ松兄さんは漫画を読むのをやめず、さほど興味なさげに質問した。
クソ松はというと、雑誌に付箋を貼っていた手を止めて、十四松を見ている。
十「あのねあのね、チョロ松にーさんがね…」
お「チョロ松は今日アイドルの追っかけじゃなかった?」
十「クッソかわいい女の子を…ラチしたってー!!」
お、カ、一「!?」
ガタッ!!
おそ松兄さんが勢いよく立ち上がり、積み上げられた漫画本がぶつかり倒れた。
お「あいつ…いくら無職DTだからって…ついにそこまで堕ちたか…!!」
カ「兄として…それは黙って見過ごす訳にはいかないな…。見損なったぞ!ブラザー!」
一「拉致ってナニするつもりだろ…?」
お、カ、十「……」
おれの一言でみんな無言になる。
十「野球かなー!?」
一「監禁して…首輪。それから…ヒヒッ」
お「おっ○いを…しこたま触る!」
カ「フン…肉体と精神の結合…すなわち…」
・・・
お、カ、一(ゆ…許せんっ!!!!)
十「あははー、野球するならあと7人探さないとー」
お「十四松!シコ松は今どこにいるって!?」
十「えーとね、これから映画観るってー!」
お「よし!お前ら!何としてもそれまでにシコ松を捕まえるんだ!」
カ、一、十「おうっ!!」
一(拉致って映画館って…なんか違くね?ま、暇つぶしに行くか…)
一「そういえば…トッティは?」
十「トッティは女の子と遊ぶから、あとはよろしくだってー」
お、カ、一「……」
その一言が、おれ達のチョロ松狩りに火をつけたのは言うまでも…ない…。