第3章 チョロシコスキーと呼ばないで
主人公視点
今日はチョロ松くんと初のお出かけデート!
お気に入りの白のワンピース、少し高めのヒールで、心も身体も背のびをして待ち合わせ場所に向かう。
チョロ松くんはいつも優しくて、なんていうか、かわいい人だ。
あんまり異性に慣れていない感じだけど、それが逆に誠実そうで、わたしも安心して話せていた。
…実は、ちょっと気になっていたりする。
・・・
待ち合わせの駅前松に着いた。
時間は約束の十分前。
主(チョロ松くん、まだ来てないな)
スマホの画面を反射させ、鏡がわりにする。
主(寝癖は…うん、大丈夫!)
待っている間、このドキドキを楽しんでいる自分がいた。
・・・
五分後…
チ「主ちゃーん!」
青いジャケットにネクタイ姿でその人はやってきた。
チ「ハァ…ハァ…ゴメン、待たせたかな?」
急いでくれたのか、肩で息をしている。
主「ううん、わたしも来たばっかりだよ」
チ「よかった…!じゃあ行こう!」
こうして、デートは笑顔で幕を開けた。
この後、まさかあんな事になるとも知らずに…。
・・・
私たちは、駅から少し歩いた所にあるイタリアンに来ている。
主「おいしーっ!ここ、前から気になってたんだよね!」
チ「前に、パスタが好きって言ってたから、リサーチしておいたんだ」
主(覚えていてくれたんだ…うれしいな)
主「ありがとう!本当に美味しいよ!」
チ「き、気に入ったなら、また…来てもいいけど」
主「うん!楽しみにしてる!」
少し照れて目をそらすチョロ松くんが、なんだか愛おしくて顔がほころぶ。
チ「あっ、そろそろデザート頼んでおこうか?ぼくはお腹いっぱいだから、主ちゃん好きなのどうぞ」
主「じゃあ、ケーキにしようかな?どれにしよう…」
私がしばらく、デザートメニューを選んでいると…、
?「あれ?チョロ松兄さん?」
誰かが、チョロ松くんに声をかけてきた。