第1章 おそ松な彼氏
お「…あ〜あ、どうすんだよこれ…」
騒ぎが収まると、集まった野次馬達は次々にいなくなっていった。
仕方なくしゃがみ込み、割れて散らばったAVを集めていると、俺の目の前に人影が見えた。
主「あの…これ…」
影の主はさっき男に襲われていた女の子だった。
心配そうに俺を見ている。
目が合うと、女の子は恥ずかしそうに真っ二つに割れたAVを拾って渡してくれた。
お(路地裏で強引レ○プ盗撮…って、なんかタイムリーなタイトル見えちゃってるし…)
お「あぁ、まだいたんだ。わざわざ拾ってくれたの?ありがとね〜」
気にする素振りを見せずにAVの亡骸を受け取る。
主「あの…助けてくれて、ありがとうございました…」
女の子は申し訳なさそうに頭を下げた。
さっきは暗くてよくわかんなかったけど、よく見ると可愛らしい感じの女の子だ。
お「あ、あはは…助けたっつーか、俺もあいつにぶつかっただけだからさ。今時あんなわっかりやすい悪い奴いるんだね〜」
主「あの、よかったら…DVD弁償させてください!また、会えたりしませんか?」
お「あぁ〜いいよいいよ、これの弁償代は弟たちから絞りと…じゃなくて、自分でなんとかするからさーって…え?」
お(今…また、会いたいって言った?)
主「これ、わたしの連絡先なんで。嫌じゃなければ連絡ください。では…」
ペコリと頭を下げて女の子は帰って行った。
急いで書いたのであろう、走り書きのメモに目を通す。
お(you主ちゃん…か…)
こうして俺は、1人の女の子と出会った。