第1章 おそ松な彼氏
おそ松視点
その日、俺はいつものように駅前のヅダヤでAVを借りて帰っていた。
お「いやぁー、今日は2時間も悩んじゃったよー、AVは選んでる時が一番楽しいんだよねー」
良作を発見した日は、独り言がはずむ。
お「そだ、あいつらにも貸してやろうかな。一発50円で。その金でまた借りに行こ」
ウキウキしながら夜道を歩いていると、路地裏から女の子と男の声が聞こえてきた。
主「な、なんなんですか!離してくださいっ!」
男「んー?人にぶつかっておいて、謝罪も何もないって、どういうことー?」
主「そっちが後ろから急にぶつかってきたくせに!」
男「いいから黙ってこっちついてこいよ!」
お(うわぁ、これってAVによくあるシチュエーションじゃね!?このまま強引に…って)
お「いてっ!!」
路地裏から、男が女の子を押さえ込みながら出てきて、勢いよく俺にぶつかった。
その反動で、右手に抱えていたヅタヤの袋が手から離れ宙を舞うと…。
お「あっ!!」
ガシャガシャバリバリッ!!
…凄まじい勢いで通りがかった車が轢いていった。
その光景が、スローモーションで俺の脳裏に焼きつく。
お「う…うおおおおおおい!!俺が金と2時間かけた傑作選があぁぁあ!!??」
見るも無惨な光景に思わず叫ぶと、男が驚いて立ち止まった。
男「な、なんだようるせーな!」
お「てめ、どこ見て歩いてんだゴルァァア!?なーにしてくれちゃってんのおおぉぉお!?」
男「は?何言ってんだコイツ!」
お「何言ってんだじゃねーよこのクズがっっっ!!人様にぶつかっておいてなんだぁその態度はよおぉぉ!!てめ、俺が借りたAVバッキバキじゃねえかあああ!!弁償いくらかかると思ってんだよゴルァァア!!」
ボロボロになったヅタヤの袋を拾い上げ、なりふり構わずまくし立てると、騒ぎを聞きつけて次々に人が集まってきた。
男「チッ…」
男は舌打ちすると、走って路地裏に消えて行く。
お「オイオイオーイッ!!謝罪とか弁償とか土下座とか何も無しかよゴルァァア!!」
・・・