第2章 恋の迷い子カラ松
主人公視点
川でカラ松くんに会ってから、私たちは毎日会うようになっていた。
というか、仕事終わりにミウを探していると、決まってわたしの前に現れるのだ。
はじめは警察に突き出そうと思っていたけれど、服がドロだらけなのを見てやめた。
毎日ミウを探してくれているって分かったから…。
相変わらずカラ松くんは、イタイし何言ってるのかわからない。
でも、時折見せる優しさや気遣いが人の良さを物語っていた。
そんなわけで、初めは警戒していたけれど、ここ最近は自然と一緒にいるのが苦じゃなくなっていた。
・・・
今日は休み。
私はカラ松くんからもらったメモを片手に商店街を歩いている。
主(連絡先聞いて、住所と実家の番号を教えてくれるってことは…携帯もってないのかな…?)
今日は、昼から2人でミウを探す約束をしている。
メモを頼りに、家まで迎えに行こうと思い、約束より早めに家を出たのだった。
主(松野松野…あ、あった!)
軽く深呼吸して、玄関のチャイムを鳴らした。
少し待つと、引き戸が音を立てて開いた。
?「ハーイ」
主「あっ、カラ松くん!おはよう!」
?「え?あっ…えっと……」
今日のカラ松くんは、いつもの革ジャンではなくピンクのネクタイに白シャツを着ている。
主「あれ?なんか雰囲気変わったね?」
ト「いや、ボクは…カラ松兄さんじゃなくて…」
主「え?兄さんってことは弟さん!?ご、ごめんなさい。顔そっくりで間違えちゃいました!」
ト「アハハっ、気にしないで。ボクたち六つ子だからよく間違えられるんだ。ボクは末っ子のトド松だよ。よろしくねっ、えーっと…」
主「あ、you主です。お兄さんには、いつもお世話になってます!」
ト「主ちゃんって言うんだ!カワイイ名前だねっ!」
ト(ちょっと!どーゆーこと!?なんでクソ松にこんな可愛くて礼儀正しくて透明感があってなんかいい匂いがする子が会いにくるわけ!?嘘でしょ!?)
主(兄弟がいるとは聞いてたけど、六つ子だったんだ!!本当にそっくり…!)