第2章 恋の迷い子カラ松
チョロ松視点
最近、カラ松兄さんの様子がおかしい。いや、おかしいのはいつもの事だけど。
ここ数日、朝早くから夕飯前まで出かけている。
何よりも気になるのは、毎日泥だらけになって帰って来ることだ。
そんなある日…
カ「なぁ、一松。折り入って相談があるんだが…」
部屋でみんなとダラダラ過ごしている時に、珍しくカラ松兄さんから一松に話しかけている。
一「………」
カ「一松」
一「……………」
カ「ブラザー…………?」
一「…………………………」
カ「グスッ…いちまぁつ…………!」
チ(涙目になっちゃったよ!もう無理だ諦めろカラ松!)
カラ松兄さんは痺れを切らしたのか、一松の両肩を掴んで揺さぶりだした。
カ「いちまぁつ!一松一松一松!!頼む!お前だけが頼りなんだっ!!」
一「………………………………」
カ「いじばづぅ…ヒック…グスッ…」
一「…………あ?……いたの?」
チ(存在すらしてなかったの!?)
カ「ブラザー!!お願いだ!力を貸してくれ…!!」
一「ムリ」
カ「即答!?そ、そう言わずにこれを見てくれっ!」
カラ松がポケットから写真を取り出し、一松に見せた。
カ「なぁ、いつもいろんな猫と遊んでるよな?この写真の子猫を見たことない」
ガタッ!
カ「えっ…」
一松が無言でカラ松の胸ぐらを掴む。
余りにも気の毒なので、僕は思わず一松を止めに入った。
チ「ち、ちょっと待って一松!せめて話だけでも聞いてあげて!!」
一「おいクソ松…なにおれの猫キャラとかぶせようとしてんの……死にたいの……?死にたいのかゴルァッ!!??」
カラ松が白目を剥き泡を吹き出す。
十「大変大変大変ー!!」
騒ぐ十四松の横を通り抜け、一松の肩を掴んだ。
チ「落ち着け一松!!白目剥いちゃってるから!!」
お「うー…シコ松…大声出すなよ…俺今寝そうだったのに…」
チ「なんで俺!?そこは始めに叫んだ一松でしょ!?ってか俺庇ったんだけど!?」
ト「そうだよシコ松兄さん、そのムダなオーバーリアクションとすぐ大声出す癖、自重して」
チ「誰のせい!?お前らがいつもツッコミ入れざるをえない状況にするんだろ!?ってシコ松言うなっ!」