第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
「ほら少年、いや新品と呼んだ方が親密さが増すな。新品、早く着替えるんだ」
「ありがとう!新品のおそ松!」
ニコニコと張り付いた笑顔のまま衣装を受け取るトッティ。
少し様子が変なトッティが引っかかるけれど、とりあえずはよかった。
やっぱり、兄弟みんな仲良くしないとね。
わたしは楽しくて笑顔の絶えないみんなが大好きだもん。
だけど、トッティは衣装を持ったまま動かない。
「どうした新品。何故着替えない?」
「え?いや無理でしょ?手錠で繋がれてるんだから」
「あーじゃあ外すから。ほら、さっさと着替えなさい」
チョロ松くんがトッティの手錠を外し、カンカン帽をヒョイと取った。
「あー…でも、主ちゃんの前だから、恥ずかしいな…なんて」
「……おれがそのネクタイを引きちぎればいいんだね?」
お次は一松くん。トッティの言葉を無視して、ネクタイを首が締まる勢いで引っ張っている。
「ちょ!やめてやめて!乱暴すんな!」
「乱暴などではない!救済だ!」
どうみても乱暴だ。
おそ松くんがマスクを着けようと、強引にトッティの身体を地面に押さえつけた。
(冗談でもひどすぎる…止めないと!)
「み、みんな!もう止めて!」
駆け寄って手を伸ばそうとした時、手錠を掛けられているのを忘れ、鉄の輪が食い込み腕にじんと痛みが走った。
目の前でシャツを脱がされ半裸になるトッティ。
「もーいい加減にしてよ!!痛いって!」
「神妙にお縄について被りなさい!」
おそ松くんと一松くんがトッティを地面に押さえつけ、チョロ松くんが白いマスクをトッティに被せようとした時、
「キミたち、こんな時間に何をしてる!?」
男性の声と共に白い光がわたしたちを照らした。