第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
トド松視点
(計画通り…)
新品クソ兄さんたちの後ろから、懐中電灯の明かりが見えた時から勝算が見えていた。
ボクに課せられた試練は、見回り中のおまわりさん(勿論今度は本物)が此処へ来るまで、どれだけ時間稼ぎをするか、それだけだった。
主ちゃんが明かりに気づいた時は冷や汗もんだったけど、なんとか上手くいってよかった。
はたから見たら今の兄さんたちはただの不審者。カップルを手錠で拘束している覆面とエセ警官とか危なすぎ。
おまわりさんに突然声をかけられ、兄さんたちは咄嗟にボクから手を離す。
その隙に立ち上がってシャツを羽織り、チョロ松兄さんのポケットから手錠の鍵を奪うと、主ちゃんの手を自由にしてあげた。
オドオドしてる主ちゃんの肩を優しく抱きよせ、おまわりさんの背後に隠れる。
「おまわりさん、この人達がボクらを無理やり…!」
「え?いや、あの、僕らは知り合いというか血の繋がった仲というか…」
「キミ…警官のフリをしただけじゃなく、通行人に手錠までかけてシラを切るつもりか?」
「えぇぇえ!?だってよく見てくださいよ!そいつ僕とおんなじ顔でしょ?身内で悪ふざけしてただけですって!」
チッ、そうきたか。ならば…!
おまわりさんが振り返り、頭のてっぺんからつま先までジロジロとボクを見て一言。
「何を言ってるんだ?全然似てないじゃないか」
「こ、このドライモンスター!!そうまでして兄を陥れたいのかっ!!」
悔しそうに唇を噛むチョロ松兄さん。
えへへっ、目ん玉飛び出るほど引ん剝いてブサメン作戦大成功っ!
モチロン主ちゃんには見えないようにやってるよ。
「てかおまわりさん!俺らよりパンイチで乳首丸出しのあいつをっておぉぉおいじゅうしまーーつっ!?」
五月蝿いなぁ新品のお粗末。
と思って十四松兄さんを見れば、野生のカンでも働いたのか、一人で私服の黄色い半袖と短パンに着替えていた。