第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
主人公視点
チョロ松くんに連れられやって来たのは公園の噴水前だった。
外灯の下、おそ松くん、一松くん、十四松くんが腰に手を当て仁王立ちしている。
わたしとトッティは両手に手錠をかけられ、噴水を背に横一列に並ばされた。
「チョロ松巡査、お務めご苦労!」
おそ松くんとチョロ松くんは、ガシと顔の前で固い握手を交わしている。
「あれ?新品のカラ松は?」
「あぁ…あいつは誘惑に負け、一縷の望みを持ってカモられに行った。男らしい最期だったよ」
「最期ってあいつ死ぬの?まぁどーでもいいけど」
みんな随分とカラ松くんに対しドライだなぁと思いつつ、この状況が何なのか聞きたくてトッティに目配せをしてみると、力なく首を横に振っている。
(トッティも分からないのかな…)
結局、地域振興のバイトでは無さそうだし、ヒーローショーの練習も違そうだし…。
(せっかくの初お泊りデートなのに、時間がなくなっちゃう…)
この謎な空間から抜け出したくて、チョロ松くんに手錠を外してもらおうとお願いすることにした。
「あのぉ、チョロ松く」
(ちょっと待って主ちゃん!)
(えっ!?)
隣から、モスキート音並の小さな声が聞こえる。
(ボクに任せて)
トッティは、みんなに内緒でそっとウインクを飛ばしてきた。