第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
「違うよ主ちゃん。チョロ松兄さんは、ただのドルオタかつ古いタイプのアレなレイヤーってだけ」
「はぐらかすどころか俺の印象だけ最悪にしてんじゃねーーっ!!もういい!えーこちらチョロ松、被疑者の身柄を確保。尚、被害者と見られる女性は目立った外傷無し」
トランシーバーみたいので誰かに連絡を取っている。誰かというか新品たちしかあり得ないけど。
「ま、待ってチョロ松くん、わたしたち…これから出かけようと…」
「ごめん…キミも一緒に連れてくるように言われてるから、少しだけ僕らに付き合ってくれる?本当にごめん、嫌だよね…面倒だよね…意味わかんないよね…」
ボクに向けていたクズな笑みとは打って変わり、申し訳なさそうに眉尻を下げて俯いている。
なるほど。やっぱり女子相手だと強気に出られないらしい。
これはもしかしたら、上手いこと言いくるめられるかも、と策を練っていると…
「じ、じゃあ…詳しく話を聞きたいから、キミも一緒に来てね?…ふふふふふ」
「キャッ!」
チョロ松巡査は、主ちゃんにも手錠をかけ、恍惚の表情を浮かべている。
(コイツ…狂ってやがる!)
僅かでもシコ松に良心が残っていると期待したボクがバカだった。
コイツはただ、主ちゃんと警官プレイをしたいだけだ。
こうして、せっかく新品ブラザーズから逃れたというのに、三男の存在を完全に忘れ去っていたボクは、まんまとクソ兄共の術中にはまってしまったのだった。