第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
「トッティ、なんでわたしたち逃げてるの?」
森林公園の中にひっそりと佇む東屋まで逃げ延びてきた。
長椅子に腰掛け、スマホでラブホを検索していると、隣に座る主ちゃんが困惑の表情を浮かべている。
「ん?だってあのクソ共しつこいんだもん」
「え?ク、クソ…?」
しまった、ついうっかり黒いボクが…!!
「い、いやっ、ほら、兄さんたちが大好きだから、二人きりになりたいなんて冷たいこと言いづらくてさ。あっ、あったあった。ここから歩いて10分くらいのとこにもラブホあるみたい」
話を逸らすようにスマホ画面を見せると、顔をほんのり染めてから静かに頷いている。
「じゃあ…今度こそ行こう?ね?」
「……うん」
立ち上がりトートを肩にかけていると、不意に主ちゃんがボクの肩をポンポンと叩いた。
「どうしたの?もしかしてまだ心のじゅ」
「こんばんはーお兄さーん」
「っ!!」
いきなり懐中電灯で顔を照らされ、眩しくて目を瞑る。
ボクの肩を叩いたのは、主ちゃんではなく巡回中のおまわりさんだった。
「お兄さん、夜中に女の子連れてこんな所で何してるのかなぁ?」
「何って、ボクらはただ散歩を…」
あれ?この感じ、前にもあったような…?