第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
上手いこと主ちゃんを誤魔化せたのに、新品のおそ松兄さんは引き下がらない。
「小イキちんこ化?何寝ぼけたことをぬかしてるんだ少年!!」
「そっちが何ぬかしてんだよ!?」
もうやめて。
主ちゃんの顔が引きつってるから…。
新品のおそ松兄さんは、ビシィと指を突きつけてきた。
「目を覚ませ少年!!まだ分からないのか?キミはその隣にいる、可愛くて優しくて眩しくてフェロモンを撒き散らす素敵女子にゾッコンだと言うことを!!」
「何が言いたいのかまるで分かんねーけどゾッコンなのは自覚してるよ!!」
「今ならまだ引き返せる!!キミはいいのか!?エロい電飾でそびえ立つあの城に一歩でも足を踏み入れてみろ!甘く濃密でクソエロい夢のような時間が待ってるぞ!!」
「引き止めたいのか勧めてんのかどっち!?」
一緒にいるだけでバカが感染するからもう黙って。
どうすればこの世から消えてくれるんだろう。
こっちは早くラブホに入って前戯に時間をかけたいというのに…。
このクソ共をどうやって排除するか考えあぐねていると、ポケットに手を突っ込み、やれやれといった風に首を横に振りながら、新品のカラ松兄さんが新品のおそ松兄さんの横に並んだ。
「フッ、少年。その目、何がしたいのか分からないとでも言いたげだな。それはそうだろう。何故なら我々も何がしたいのか、ぶっちゃけよく分かってないからな」
「じゃあもう帰れよ!?」
「ちょっとちょっと何言ってんの新品!一応五分で用意したネタがあるだろ?」
新品のおそ松兄さん、ネタって言っちゃってるし。
こいつらただコント見せたいだけだろ。
「少年!本題に入ると、我々はラブホの恐ろしさを人々に伝えるためにやって来たんだ!新品の一松!目に物見せてやれ!!」
新品のおそ松兄さんがシャウトしながら横にジャンプすると、その後ろから新品の一松兄さんがぬぅっと登場。
新品の一松兄さんは画用紙を持ち、陰鬱な空気を漂わせながらボクらの前へ立ちはだかった。