第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
——突如現れた四人の人影。
目の前に立ち塞がるは、真っ白なレンジャー服に身を包み(バットを持ったヤツはパンイチ)、名前の頭文字をもじったマスクで顔を隠す四人のヒーローたち。
「絶景スポットに全裸で出没!新品のおそ松!!」
「女店員に釣りを渡されるだけで恋に落ちる…新品のカラ松」
「…お勧めの映画はキラーコ○ドーム、新品の一松」
「ラブホこわい!!新品の十四松!」
「世の中の幸せ、全部抹消!!」
新品のおそ松の掛け声で、四人がほにゃららレンジャーみたいに決めポーズを取った。
『童貞自警団!新品ブラザーズッ!!』
そして、残念な決めポーズのまま、四人は動かなくなった。
ぷるぷるしながら3分近く同じポーズを維持している。
(いや誰もオマエラの写真なんか撮んねーよ!?)
周囲のイチャコラしてるカップルは、こちらの騒ぎに動じることなく二人の世界に没頭している。
いちいち出てきていちいち決めポーズとかいらないから。
ボクもこの前参加したから流れとか掴んでるし。
スゴイな…やる側じゃなくやられる側は、こんなに精神的ダメージが大きいんだね。
てかこの人たち、カップルの性地ラブホテル様の前で何やってんの?
(無様すぎるよ…兄さんたち)
童貞憐れみの令を発令する勢いだから。
コワイってホントに。
ボク、こいつらとつい先日まで同じポジションだったとか笑えないよ。
目が点になって固まる主ちゃん。
ボクは、そんな彼女の手を引いた。
コイツらが悲劇の撮影スポット化して、向けられることのないカメラを待っている間、なんとしてでも逃げてやる。