第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
「本当に……いいの?」
返事の代わりに、彼女はボクの唇をそっと奪った。
必死に、ホンットーに死ぬかと思うくらい必死に余裕があってカッコいいボクを装い、手の震えを誤魔化すように主ちゃんの髪を撫でる。
「…もう、やめるって言っても遅いからね」
(シャーーーーーッ!!!!てやんでぇバーローチキショーーー!!!!)
腰を抱き寄せ、今度はボクから啄むようなキスをする。
夏よ、カルアミルクよ、ありがとう。
夏の女子は積極的って、どっかの偉人が言っていた。そしてアルコールの相乗効果により、彼女は今、身体も心も全開放!!
性欲の無法地帯!!
イヤッフーーーー!!
ゴメンね兄さんたち!おっ先ー!!
みんなには悪いけど仕方ないよね。
だってだって、兄弟で一番かわいくてマトモなのはボクだもん。
「じゃあ、行こう?」
立ち上がり缶をくずかごに捨てて、主ちゃんに手を差し出したけれど、躊躇いがちに目を伏せている。
「う、うん。でも、やっぱり…」
「あれ?もしかして緊張してるー?」
頷き赤らむ主ちゃんの頬を両手で包み込む。
「トド松くん?」
「……大丈夫。優しくするから」
「……うん」
恥ずかしそうに俯く彼女の手を握る。
ホントはね、ボクだってとっても緊張してるんだ。
でも、こーゆー時は男がリードしてあげないと。
いつもかわいいけど、頼れる一面も見せてあげる。
いわゆるギャップ萌えってやつ?
ふふふ、ボクって魔性の男だよねー。
「主ちゃんの全部、ボクにちょうだい」
そっと耳元で囁き、彼女の手を引いた。
さぁ、夜の街へ繰り出して、忘れられない一夜にしよう。