第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
「いちまーーーつ!!どうしたいちまぁぁあつ!!しっかりするんだいちまぁぁあつ!!」
カラ松が、目を開いたまま動かなくなった一松を泣きながら抱き抱えている。
その横で硬く拳を握り締めているおそ松が、悔しそうに声を荒げた。
「おのれ末弟め!よくも…よくも一松をっ!!」
「どーすんの?殺すー?」
「フッ、生かしてはおけないな」
ツッコミに疲れ果て呆然とする僕の前で三人が立ち上がる。
「お前ら、話が早くて助かるよ。さぁみんな、これに着替えるんだ!!」
見覚えのある衣装が支給され、そこでふと気づく。
「ちょっと待って!僕もやんの?」
(ドルオタ仲間のオフ会に行こうと思ってたんだけど…)
断ろうとしたその瞬間、
「当たり前だボケェ!!」
「アブシッ!?」
赤パーカーバカにグーパんされた。
「いってーーな!!なにすんの!?」
「キラッキラした悪の道に逸れようとしている弟を助けるのが、お兄ちゃんの役目だろーが!!」
「ノリ的に悪の道に突き進んでんの俺らだけど!?」
——こうして、リア充の手に染まりかけている新品の末っ子をこちら側に戻すべく、五人の兄が立ち上がった——
(え?何でしれっと僕も参加することに…?)
まぁ…腹立つからいいか。
・・・