第11章 デート編 十四松の夏
富士山城で遊んだ後、ぼくらは海でぷかぷかして過ごした。
おだやかな波に二人で揺られていると、海に抱っこされて、気持ちよくって…いろんなことがどうでもよくなってきた。
でもタッティは相変わらず収まんない。
(泳ぎまくったら大人しくなってくれるかな?)
イイねー!
名案かもしんない!
沢山泳ぐついでに、おみやげ持って帰ってきて主ちゃんを笑わせてあげよー!
「主ちゃん、ちょっと待っててー」
「え?どうしたの?」
「ひと泳ぎ行ってきマッスル!!」
主ちゃんに浮き輪を預け、ぼくはゴーグルと足ヒレを着けて海に潜った。
それでね、なんかを見つけるたびに主ちゃんに見せに戻ったんだ。
「みてみてワカメー!」
「わっ、全身ワカメで妖怪みたい」
おぉー喜んでくれた!
「コンブー!出汁取れるよー!!」
「すごいすごい!」
湯豆腐食べたくなっちゃった。クソ暑いけどね!
「ヒトデーー!!」
「あはははっ!動きマネするのやめてーっ!」
裏側すっげー!食えんのかな?
「ウニー!いってーー!!」
「ちょっと!トゲが手に貫通してるよ!?」
傷に海水がしみるぜっ!!
「カジキマグーロッ!!」
「そんなんどこにいたの!?怖いよっ!!」
速くて捕まえんのマジ大変だったー!
「からのーーーー…」
お次がラストだよ!
「ピラルクゥッ!!」
「…それ淡水魚だし、いろいろありえなくない?」
「地球は一つ!!」
「うん、十四松くんいいこと言うね。でも死んじゃうからアマゾンに帰してあげて」
「あいっ!」
すっげー!
マッハでアマゾン行ったのなんでバレたんだろー!!
主ちゃんってやっぱりすっげー!!
そしてぼくのタッティもすっげー!!
全然収まんない!!