• テキストサイズ

おそ松さん〜ニート達の恋模様〜

第11章 デート編 十四松の夏



胸を躍らせ駅へ向かうと、やはり彼はわたしの想像を軽々と超えていた。

準備して集合とは言ったけどさ…。


「あっははー!主ちゃーーんっ!」


嬉しそうに手を振り、こちらに向かってペタペタ歩いてくる十四松くん。

"ペタペタ"歩いてくる十四松くん。


「あのー、十四松くん」

「どーしたのー?」

「すごい準備万端だね。まだここ駅なのに」


わたしの彼氏はあろう事か、駅前で黄色いハイビスカス模様のアロハシャツ、海パン(というかいつも履いている紺の短パン)、浮き輪、シュノーケル、足ヒレ(フィン)を装備して待ち構えていた。


「海は楽しい分危険がいっぱいだからね。用意周到なくらいが丁度いいと思うんだ」


涼しげな声でそれっぽいことを言っている。


「うん…そうだね。わたしもそう思う。でも、とりあえず歩きづらいだろうかヒレは脱ごう?こんな事もあろうかと、ビーチサンダルを十四松くんの分も用意しておいてよかったよ」

「わかった!」


とりあえず浮き輪は空気を抜き、シュノーケルとヒレは没収してから二人でバスに乗り込んだ。

揺れる車内で肩を寄せ合い、移りゆく景色を眺める。

景色を見ながら口を三日月型に開いて微笑む彼の横顔。

それに釣られてわたしも笑顔になって。

他愛ない話をしながら目的地に向かう。

気づけば窓の向こう、海が見えてくる。


「次で降りるよ」

「わかっタイムリー!」


僅かな時間だったけれど、まるで子供のように海が見えるのを待ち焦がれ、ワクワクして…とても幸せなひとときだった。


・・・


/ 199ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp