第8章 デート編 カラ松の温泉旅行
主人公視点
古民家カフェを出て、わたし達は海に来ていた。
夕陽は西に落ちかけ、海はオレンジ色の輝きを反射しゆらゆらと波打っている。
「カラ松くん…」
「なんだ?」
わたしは、ずっと気になっていた事を初めて口にした。
「えっと…今日はどうして、いつものタンクトップとか革ジャンじゃないの?」
珍しく普通のファッションだ。シンプルな七分袖のシャツを着ている。
色はいつも通り青。でも、藍色に近い深い青だ。
「えっ!?いつもの方がよかったか?トッティに1万円でコーディネートしてもらったのに…」
「い、1万円!?何でそんな事に1万円も払ってんの!!」
「メイドインオレの刺繍入りタンクトップと短パンで行こうとしたら、止められてこれを勧められたんだ…。けど、お前はパーフェクトファッションがよかったなんて……オーマイガッ!!」
(トド松くん…心からありがとう)
気を取り直し、スマホをバッグから出して夕陽を撮った。
「うーん、イマイチ綺麗に撮れない」
「貸してみろ」
パシャッとカラ松くんが夕陽に向かってシャッターボタンを押す。