第7章 デート編 部屋と長男とゾンビ
急いでワンピースに着替え、パタパタとスリッパを鳴らしながらドアに向かった。
心が浮き立ち顔はほころぶ。
やっと、会えるんだ!
玄関のドアを開け、飛び込んできたのは…
お「よぅ!久しぶり〜」
主「お、おそ松くんっ…!?ど、どどどどうしたの!?その姿!!」
頬が瘦せこけ、クマができ、唇がカッサカサな、なんとも哀れな男の姿…。
お「ち、ちょっと…予習がんばり…すぎちゃった…。はいこれ、みやげの今川焼き…」
主「予習?予習って何の!?」
お「へ?あ!あー違う違う…。働いてたトコ…そう!ブラック工場で…まじありえない長時間労働させられてさぁ…。それでこんなんなっちゃった」
そう言い終わるや否や、わたしの胸に顔を埋めてきた。
普段なら怒るところだけど、
ぎゅっ
おそ松くんの顔を、包み込むようにそのまま抱きしめた。
お(や、やわらけ〜!!なにこの幸せヘッドロック…!)
主「もう…こんなになるまで働くとか…信じられない!とりあえず、部屋で休んで…」
情けなくも放っておけないわたしの彼氏…おそ松くん。
今は、ただただ彼をいたわってあげたい。