第6章 トッティの憂鬱
にぼしを受け取ると、一松くんはそのままチョロ松くんの隣に並んだ。
チ「いやぁ、ハートフルな展開でしたね!では次、十四松さんどうぞ!」
十「はーい!こんにちは!!」
十四松くんが、澄んだ瞳で挨拶してきた。
主「こ、こんにちは!」
十「ぼくと、野球してください!!」
主「へ?野球!?」
十「一緒にホームラン王目指そうよー!」
主「わたし、あんまり詳しくないけど…」
チ「あーっ!主さん優しすぎ!そこは普通に流しちゃっていいから!たぶんこいつ、このクイズの目的分かってないんで!」
十「ドラフト会議ー?」
ト「違うよ十四松兄さん。はい、次僕で最後ね」
トッティが十四松くんを一松くんの横に並ばすと、真っ直ぐな視線をこちらへ向けてきた。
ト「主ちゃん…少し、長くなるけど聞いて?」
主「は、はい」
ト「今日は、僕から誘っておいて、こんなくだらない事に付き合わせちゃってほんとーにゴメンッ!そして、ありがとう!」
主「そんな…けっこう楽しかったよ?」
ト「ぼくね…あの夜キミに再会できて本当によかった!あの日、実はちょっと落ち込んじゃっててさ。自分に自信が無くなりそうだったんだけれど、主ちゃんに会って沢山話したら前向きになれたんだ。だから…」
トッティがわたしの手をギュッと握りしめた。
大きな手に包み込まれ、突然の出来事に胸の鼓動が早くなる。
ト「これからも、話したり、出かけたり…2人で過ごす時間をいっぱい作っていきたいんだ!つまりは…ねっ?そういうこと。…どうかな?」
トッティの頬がサクラ色に染まっている。
しばらく2人で見つめ合う。
握られた手が熱い。
お(え?何この空気?流れ的にあざといボケかますとこじゃないの!?)
カ(う、羨ましくてどうにかなりそうだ!)
チ(気まずいんだけど…ってか、デートの誘いじゃなくてまさかの告白ー!?)
一(帰りたい…ここにいるだけで呼吸困難…!)
十(やるなートッティ!!)
いつも明るくて、女の子みたいに話しやすかったトッティ。
そのトッティが、真剣な瞳でわたしの事を…
わたしが出した答えは…。
・・・