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おそ松さん〜ニート達の恋模様〜

第6章 トッティの憂鬱


一ヶ月後





・・・




ピンポーン



はやる気持ちを抑え、玄関のチャイムを鳴らす。



手には、沢山のケーキが入った箱。



ガラリと扉が開くと、



母「あらぁ主ちゃん!さ、上がってちょうだい!」



出迎えてくれたのは松野家のお母さん。丸いメガネとお団子頭が特徴。



主「いえ、これから出かける約束をしているのでここでけっこうです。あの、これ皆さんで食べてくださいっ」


母「まぁー!いつもありがとうね!トド松ー!主ちゃんが来たわよー!希望の星ー!!」



声が階段に響くと、慌てた足音が駆け下りてくる。



ト「もー母さんその呼び方やめてっ!主ちゃんお待たせっ!じゃあ、いってきまーす!」


主「いってきます!」


母「はい気をつけてー!トド松、ちゃんと性欲を抑制しなさいね!」


ト「何うまいこと言ってんの!?じゃあね!」



お母さんはまだ何か言いたげな顔をしていたが、トッティが勢いよく玄関を閉めてしまった。



主「今日はどこに行くの?」


ト「ちょっと遠出しちゃうけど、ネットで話題の古民家カフェ見つけたんだ!行こう!」



歩き始めるのと同時に、松野家の二階から、ケーキを連呼する合唱が聴こえてきた。



ト「兄さん達、ちゃんとボクの分残しておいてくれるかな?」


主「あははっ!やっぱりみんな面白い!無くなってても平気なようにわたしの部屋寄って食べていく?」


ト「え…?い、いいの…!?」


主「今日のデートのエスコートが素敵だったらね!」


ト「ま、まま任せてよっ!!」



そう言うと、彼の左手が差し出された。


キュッと握りしめると、笑顔が2つ並ぶ。



主「トッティ…」


ト「ふふっ、なーに?」



トッティはいろんな所へ連れて行ってくれるけれど、


わたしは一緒なら、どこだって楽しいんだよ…。



主「…何でもない」



言葉に出そうになったけれど、


それはもう少し内緒にしておこう。



ト「えーっ?気になるなぁ。ま、いっか!」



繋いだ手に力をこめると、トッティは少しだけはにかんで、キュッと握り返してくれたのだった…。



・・・
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