第6章 トッティの憂鬱
お「うっす。じゃあ俺からね。…主ちゃん、今日は来てくれてありがとう!こんな感じで兄弟で争ってるけど、まぁ、長男は家持ち土地持ちだから。ってなわけで、おれとセック…じゃなくて、おれとデートしてくださいっ!!」
おそ松くんはわたしの前で、右手を差し出しそのままお辞儀をするポーズで立ち止まった。
主「あ、あはは…」
主(聞いちゃいけない単語が一瞬聞こえたような…)
チ「クズっぷりを遺憾なく発揮してますねー。次、どうぞ」
カラ松くんは、サングラスをかけながらギターを肩にかけて近づいてきた。
カ「オレか…。主、愛に必要なのは時間じゃない。出会った瞬間、どれだけお互いのソウルがバイブレーションを感じるかが大事なのさっ。というわけで、オレの歌を聴いてほしい…。キミのハートに届けてみせよう。ワン、ツー、ワンツースリー」
ジャンジャカジャンジャカ〜♪
ギターの弦が弾かれ歌いだそうとしたその瞬間…。
バチンッ
カ「あーっ!!目がぁっ!?」
弦が切れてカラ松くんの右目に当たった。
目を押さえながら地面をゴロゴロ転がっている。
主「だ、大丈夫ですか!?」
チ「あー主さん、ほっといても平気なので気にしないでください。じゃあ次一松さーん」
一「…チョロ松兄さんは…?」
チ「ぼ、僕は…司会だから言わない。ってゆーか、こんな公開処刑みたいな事絶対したくない」
お「そんな風に思ってたのかよっ!?このライジング思考スキーがっ!!」
チ「その呼び方やめろっ!!ほら一松!早く!」
一「……。」
一松くんは、わたしと向き合ったまま瞬きもせず固まっている。
ト「一松兄さん?」
一「……」
一松くんは、無言でポケットから何かを取り出し渡してくれた。
主「え?これ…にぼし?」
チ「なんと!あの一松が女の子ににぼしをプレゼント!!」
十「やったぜっ!!」
ト「成長したねぇ!僕ちょっとウルっときちゃったっ!」
みんな一松くんに拍手を送っている。
主「あ、ありがとうございます…」
主(にぼしのどこらへんが、そんなにすごい事なんだろう…?)