第6章 トッティの憂鬱
赤塚公園 午前10時15分
マイクを持った三男が息を大きく吸う。
チ「さあさあやって参りました!主のあんなことやそんなことを暴け!さらけ出せ!!六つ子対抗デート争奪戦クイズーーッ!!優勝すれば、この後主さんとデートする権利が与えられますよー!司会はわたくしチョロ松が担当致します!」
お、カ、一、十「うおーっ!!でえと!でえと!」
ト「な、なんで…こんなことに…」
ボクは絶望し立ちつくしていた。
主「あははっ、なんかセットまであってスゴイね。デートどこに行くか内緒ってこういう事だったんだ!」
ト「い、いや!違うんだよ主ちゃんっ!これは、兄さん達が勝手に…!!」
そう。地獄の足枷達が仕掛けた罠に、まんまとはまってしまったのだ。
ぼくがバカだったんだ。なぜ、電話を聞かれているのを気づかなかったんだろう。
主ちゃんの家を出発して公園を通り過ぎようとした時、このヨダレを垂らしたハイエナ達に捕獲され、さもボクがサプライズ企画をしていたような——そんな空気を作られてしまったんだ。
サヨナラ…ボクのオーガニックカフェ…カルアミルク…。