第6章 トッティの憂鬱
ボクのデートプラン…
裏参道のオシャレなショップを巡ってから、
オープンしたてのオーガニックカフェに行き、
いじめ神宮に参拝して…
夕方までまたショップ巡りで時間を潰し、
夜はダイニングバーでカルアミルク…
そして、上手くいけば……!
カンペキだった…
それなのに…
どうして、
あんな事に…
・・・
デート当日
ボクは、お気に入りのマネキンコーデで商店街を歩いている。目指すはお姫様のお城…パティスリーアンジュ!
女の子と複数で遊ぶのはよくあったけれど、2人きりのデートは久しぶりなんだ。
顔がニヤけつつ、ちょっぴり緊張してきた…。
ト(昨日眠る前に、何回もデートコースをストリートビューでイメトレしたし、大丈夫だ!落ち着けボク!)
右脳と左脳をフル回転させながら主ちゃんのケーキ屋に着くと、定休日らしくシャッターが下りていた。
裏側に家の玄関があると聞いていたのでぐるりと回ると、それらしきドアを見つける。
ト(チャイムは…あ、あった!)
チャイムを鳴らすと、待っていたかのようにすぐドアが開いた。
主「おはようトッティ!迎えに来てくれてありがとう!」
ト「おはよっ。わぁっ、スゴくいい香りー!もしかしてアベサンインランつけてない?」
主「すごーい!匂いだけで香水分かるんだ?」
ト「そんなに詳しくはないけどねっ。あと、今日のそのワンピースもとってもカワイイよっ」
主「あ、ありがとう…!」
ト(うん、ホントにかわいくていい匂いがして…隣に連れて歩くだけで羨望の的になっちゃうよ…。ゴメンねっ、町中のDT達…!)
ト「じゃあ、行こっか!」
まだ手は繋げないから、ぼくは主ちゃんの肩が触れるか触れないかギリギリまで距離を縮め歩き出した。
・・・