第6章 トッティの憂鬱
チョロ松視点
今、僕達六つ子は至福のひとときを過ごしている。
テーブルには、主さんが作ったというカフェメニューの試作品がずらりと並び、取り合いながらみんなで頬張る。
お「うまいっ!うますぎるっ!これなら男の胃袋鷲掴み間違いなしっ!」
カ「あぁ…酸味のきいたトマトソースと芳香な香りを放つチーズがマリアージュしたこのオムライス…。オレだけのものにしたい…」
主「ありがとうございます。よろしければ気になったところも言ってくださいね」
チ「そ、そうだなぁ…ケーキとの組み合わせも考えると…トンカツは重たい感じがするから、カツサンドにしたらどう…かな?」
主「なるほど!チョロ松さん流石ですねっ!」
チ(はあーーーん!!褒められたぁーー!!)
褒められて顔がほころぶと、不穏な空気を漂わせるヤツが1人…。
ト「……」
チ(出た!別人格トッティ!!あいつなんであんな顔してんの!?っつか顔の原型留めてないけど!?)
主さんが見ていない時に、呪いの人形さながらなすさまじい形相をしている。
まぁ、確かに僕らが勝手にお店に来て邪魔なのは分かる。分かるけど…。
チ(カワイイ女の子の手料理を食べられるこのチャンス、独り占めなんて僕達がさせるわけないっ!!)
パシャッ
十「あっツーアウト満塁ー!!!」
急に十四松が目を押さえながら転がりだした。
一「十四松!どうしたー!しっかりしろー!」
駆け寄る一松。それを横目にスープを飲んでいるのは…
チ(トド松!お前の仕業か!熱いスープをわざと十四松の目に飛ばしたな!?実力行使で1人ずつ退場させる気かっ!もはやモンスターでは無く悪の道に堕ちたか…!)
ト(せっかく主ちゃんの働く姿を見守りながら、1人で落ち着いたティータイムを過ごす予定だったのに…。帰らないならこっちだって考えがあるよ…!)
お「お前らねぇ、店の中でくらい静かに出来ないの?主ちゃあん、サンドイッチあーんして欲しいなーっていでーーっ!!!」
間髪入れず、死角から飛んできたフォークがおそ松兄さんの頭に刺さった。
気がつくといつの間にかカラ松と一松もうずくまっている。