第6章 トッティの憂鬱
主「なあに?トッティ?」
ト「今度の休みっていつ?ボク、主ちゃんと行きたいとこあるんだよね。なんならスタバァで一緒に働いていたA子ちゃんも誘うよ?」
ト(必殺、2人きりじゃないから狼になりませんよアタック!これをくらうと大抵の女の子は断らずに遊んでくれるっ!)
主「うーん、休みは明日もらってるけど…」
主ちゃんは少し考え込んでいる。
ト(どうだ…?)
主「わたし、A子ちゃんとはそんなに接点無かったからなぁ。誘ってくれて嬉しいけど、2人で行ってきたら?」
ト(な……っ!)
まるで、脳天に雷が落ちたようなショックを受ける。
ト(なんだってーーーー!!??)
デートの誘いを早速断られてしまった…。
ト(ま、まてよ…断られた理由が、A子ちゃんも誘うって言ったからならば…!)
リスクはあるけれど…
ト「じゃあ…A子ちゃんは声かけないから…」
がんばれボク!!
ト「2人で…行こう?」
ついに言った…!言っちゃった!
勝ち戦しかしないこのボクが、初めてリスキーな誘いをやってのけた…!
主「でも…A子ちゃんはいいの?」
ト「うんっ!主ちゃんと出かけたいからさっ!」
主「う、うん。じゃあ、わたしでよければ…」
ト「やった!嬉しいな!」
ト(ィヨッシャー!!シャーシャーシャーシャーシャーッ!!)
ボクの心は幸せお花畑だ。
主「そうそう、わたしもお願いがあるんだけど…」
ト「なに?何でも言ってよ?」
主「実はね、うちのお店、カフェメニュー限定でランチを出そうってなって…。今他にお客さんいないし、試作品皆さんで食べてみて欲しいな?」
ト「ほんとに!やったぁ!!ちょうどお腹空いてたんだよねっ!って、兄さん達も?」
ト(正直、どんな奇行に走るか分からないし、さっさと帰ってもらいたいんだけど…)
冷や汗が額に滲む。
けれど…
主「うん!じゃあ作ってくるから、お茶しててね!」
ト「オッケー!」
とびきりキュートな主ちゃんの笑顔に、ボクは即座に頷いてしまうのだった。