第6章 トッティの憂鬱
トド松視点
主「2700円です」
ト(ふっざけんな…!!なんであいつらここに来てんだよ!絶対に存在を隠し通そうと思っていたのに!人が貰ったクーポンまで勝手に使ってるし!しかもなんでボクが払うことになってるわけ!?)
怒りで財布を持つ手が震える。
家を出てから、クーポンを忘れた事に気づき、引き返したのだが…。まさかクーポンを見つけてクソ共がここに来ていたなんて…。
ボクもまだまだ甘かった。この間の経験をまるで活かせていない。
主「あ、あの…トッティ?」
主ちゃんが声のトーンを下げて耳打ちしてきた。
主「様子見てると、お兄さん達とは約束してきたわけでは無さそうだけど…大丈夫?」
ト「…平気だよ。僕がまとめて払うから」
ト(ここは意地でもカッコつけてお金は後で請求だ!)
主「そ、そう?でも、六つ子ってスゴイね!みんな仲よさそうだし!はい、トレイ2つになったからこっちはわたしが持っていくね」
ト「ありがとう!」
兄さん達がいる席に向かうと、皆オシャレな店内の装飾が気になるのか、キョロキョロと辺りを見回している。
主「お待たせしました」
お「どうもどうも!わざわざ持ってきて貰っちゃってー!」
タイミング良く、ちょうど他の客が帰ったみたいなので、主ちゃんに兄さん達の簡単な紹介をする。
話していると、意外なことに全員主ちゃんと打ち解けてきた。
カ「フン…可愛い弟のガールフレンドならば、いくらでも頼ってくれ」
十「うんまーっ!ケーキうんまーっ!!」
一「このプリン…かわいい…」
チ「一松、一口交換して。ショートケーキ本当に美味いよ!クリームが甘すぎなくて絶妙!」
お「主ちゃーん、せっかく同じ顔が6つあるわけだし、日替わりでみんなとデートしよ?」
主「あははっ!」
ト「ちょっと!おそ松兄さんったら!」
ト(何言ってんのホント!?このゲスがっ!!)
主「では、片付けがあるので戻りますね」
ト「あっ、待って主ちゃん」
僕はさりげなく兄さん達から離れた。