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焔に立つ 【おそ松さん×黒子のバスケ 】

第2章  静かなる闇


季節は7月。梅雨も上がった。
カラ松は生温い夜風を感じながら歩いていた。

自分の持っている煙草に火を着ける。
フーっと息を吐き出すと紫煙がゆらゆらと揺れた気がした。

カラ松が路地裏に差し掛かる。
ここの片隅はよく4男の一松が、野良猫を世話している場所だ。

静かな夜半、耳を澄まさなくとも
数匹の野良猫の鳴き声が
喧しい位聞こえる。

「何かあるのか・・・・・?」

ここも一応、松野ファミリーのシマだ。
カラ松は猫の鳴く方へ足を運んだ。

路地裏の片隅。

少し雲に隠れてきた月明かりの向こう、
目を凝らすと、数匹の野良猫達と・・・・・

「何だあれは・・・・・女か?!」

血塗れのがうっすらと見えた。

とりあえず傍に近付いてみる、
もちろん両手は愛銃に手を掛けたままで。

「おい、そこにいるんだろう?何かあったのか?」

当たり前だか返事はない。

黒いチャイナドレス、黒いロングの髪
そしてどす黒い血の塊が顔に乾き張り付いている。

また雲が月を避ける。

月明かりがはっきりとの姿を
映し出した。

「おい!大丈夫か!?しっかりしろ!」

慌ててに駆け寄るカラ松。
の肩を掴んで呼びかけてみるが
反応はまるでなかった。

「酷い損傷を受けたみたいだな、とりあえず運ぶぞ。」

カラ松がを抱きかかえてその場を離れようとした時、
爪先に何かが当たった。

「これは何だ?ナイフみたいだが、この女性の物だろうか
それともこれで襲われたのだろうか・・・・・?」

一応ナイフを一本拾い上げと一緒に
運ぶ事にした。

「チョロ松辺りに聞けばデータベースに武器情報があるかも知れないしな・・・・・。」

そう思い、女性の髪の毛を手で撫でてみると、
血で張り付いていなかった片方の艶髪が
サラリと流れた。
思わずカラ松の喉が、ゴクリと音を立てる。

「綺麗だ・・・・・美しい女性なのに何故・・・・・。」

の片側しか顔は見えなかったが、
月明かりに照らされたの顔は、とても美しかった。





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