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焔に立つ 【おそ松さん×黒子のバスケ 】

第3章 光と闇


カラ松が一松をゲストルームへ連れてきた時、
は頭を抱えながら、かぶりを振っていた。
かなり動揺しているのだろう。
に付けられていた点滴の針は、
その衝撃で抜けてしまっていた。

「とりあえず落ち着きなよ・・・・・。
ちょっと鎮静剤打つよ。
カラ松、彼女の身体抑えてて。」

「あ、あぁ・・・・・。」

カラ松は、の身体を抱きしめ、
大丈夫だからと繰り返し言い続けた。

「カラ松・・・・・、誰も抱きしめろとは言ってない。
腕抑えてて欲しいだけ。
分かるでしょ・・・・・フツー・・・・・。」

「えっ!?・・・・・いや、その・・・・・。」

「まぁ良いから、腕抑えてて。」

「分かった・・・・・。」

出されたの腕に、静かに鎮静剤が流れていく。

「これで良し。
ちょっとは落ち着くはず・・・・・
で、幾つか質問したいんだけど?
僕の言う事に、分かる範囲でいいから・・・・・。」

は鎮静剤のおかげで、少しは落ち着いたものの、
カラ松の服を掴んだまま離そうとはしなかった。

「じゃあいくね。
僕の名前は松野一松。医師と思ってくれていいよ。
君の名前は?」

『わ、私は・・・・・です。
苗字は分かりません・・・・・。
職業も・・・・・その、分かりません・・・・・。』

一松はメモを取りながら、

「ゆっくりでいいよ。無理に思い出そうとしないで。」

一松は自分の持っていたペンをに握らせ

「名前、書いてみて。」

と、紙に書かせてみた。

『は、はい・・・・・。』

はペンと紙を受け取ると、少し歪だったが
紙に、と書いた。

「うん、いいよ。
さんね、自分の年齢は分かる?」

『・・・・・分かりません、ごめんなさい。』

の黒曜石から、涙が溢れ出した。
名前以外、苗字も歳すら分からないのだから・・・・・。

「さんはね、頭に怪我してたんだよ。
直接の原因は分からないけど。
そのせいだと思うよ。
治れば思い出せるかもだし、無理かもだし・・・・・
日常生活には問題ないみたいだから、
しばらく静養して。」

一松の診断に、は頷く事しか出来なかった。




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